雑感コラム タイミングをはかる (2023.03.15)
物事を行うのに最もふさわしい時とか、ちょうどいい瞬間のことをタイミングという。だれもが周知のことだろうが、あらためて辞書を引けば、「タイミング」とは、「ある行為、動作を起こすのに、もっとも適切でぴったりした時点、瞬間」とある。
考えてみれば、私たちの周りのいろいろな出来事とか物事には、ちょうど良い時期とか流れというものがある。それを見誤って何かを推し進めようとすると、どうも上手くいかないことが起きてしまうことがある。時には上手くいかないどころか、おかしなことが起きたり、前よりかえって悪くなってしまうことが起きるのである。
それは、タイミングを見誤っているからなのかもしれない。タイミングを間違うと、物事のやり方や行いが正しくても、上手くいかないということが起きてしまう。良い結果が出ないどころか、かえって前より悪い事が起きてしまうのである。
タイミングを見極めるのが、いかに大事か、ということである。
タイミングを見極める、ことを「タイミングをはかる」という言い方をすることがある。ここで言う「はかる」という漢字には「図る」ではなくて、「計る」を当てる。
「計る」には、ある基準をもとにして物の度合いを調べるという意味がある。数や時間を計測するというようなことで使われる。
そしてもう一つが、推しはかって見当をつける、という意味である。これが「タイミングをはかる」の「計る」である。おもんぱかるとか、何かを考える、見極めるという意味もある。「
「タイミングをはかる」は、「計る」ことである。物事を見極めたり、考えたりすることである。タイミングを見極める。物事の最も良い時を見つけて考えるのであるのである。
逆の使い方で、「タイミングをはかりかねる」と言うこともある。こちらの意味はどのようなことになるのだろうか。
「かねる」とは、出来ないこと、不可能であることを意味する。だから、物事を行うのに、ちょうどいい時が分からないのである。ちょうど良い時という見極めが出来ないのである。案外、普通の生活の中では、タイミングをはかりかねる事は多いのかもしれないのである。
ずいぶん多くの人にお会いして、いろいろな事を尋ねられている。いろいろな事を述べているのだが、それぞれが、仕事や、家族や、住んでいる環境も異なる人たちである。それらの人たちに必要な何か、そういう内容の言葉を選びながら伝えさせて頂いているつもりである。
心がけているのは、それらの人たちに必要なのは、何の言葉なのだろうというようなことである。そしてそれを如何にして伝えるか、ということである。その人が何を聞きたいのか、何に対して応えるか、ということである。
そして、その先に、告げなければならない一言がある。それは、話している間に浮かんでくるその人に対して必要な、ある言葉である。話している最中に閃くようなことがあって、その時浮かんでくるのである。その言葉を告げるのである。
その言葉を告げるのには、必要な時があって、それを待つようなこともある。その大事な言葉は、告げられるタイミングを待っているのである。話している間のどこかのタイミングで、その言葉がその人に告げられていくのである。それは、その人に必要な、上から降りてくる言葉ということになる。
ただ、お会いするすべての人に、そのような、言葉が上から降りてくるというようなことが起きているわけではない。いつも、ということではないのだが、時には、そして、いくつかの大事な話の内容では、そのようなことが起きているのである。
そのような言葉があったとしても、その人が聞くタイミングによっては、言葉の意味も違ってくるようだ。その人にとって、一番良いタイミングで伝えているつもりでも、伝えられた人はよく分からない、ということが起きてしまうのである。そのまま意味に気付かずに過ぎてしまう人もあれば、しばらく経って、本当に必要な時に、思い出すような事が起きて、伝わる人もいる。タイミングのいい時に、その言葉が思い出したように伝わるのである。
タイミングは、いろいろなことに存在しているのだと思う。タイミングが合えば、一番いいということになるだろう。しかし、タイミングが合わない、ということもある。何かから遮られるように、時間と環境とか、タイミングが合わないことが起きてしまうのである。
しかし、よく観ていると、タイミングが訪れるというのは、一度だけではないようだ。分かり難い時も多いのだが、しばらくしてか、急にか、再び訪れることがあるのである。
問題は、そのことに気がつくのかどうか、ということである。そして、その再び訪れたタイミングというのを活かすのが出来るかどうか、ということである。そのことが、その人の運というのか気の力を表す、ということにもなるのだろう。
物事にはタイミングがある。備えて、合わせて、掴んで、である。自分を整えておく、気を蓄えておくことである。
黒木美喜